妊娠判定が出たら — まず知っておくこと
不妊治療を経て妊娠判定(陽性)が出た時、大きな喜びとともに「この後どうすればいいのか」という不安を感じる方も多いのではないでしょうか。ここでは、妊娠判定後から産科への転院までの流れを時系列で解説します。
なお、妊娠初期は流産のリスクが一定程度あるため、慎重に経過を観察していく期間でもあります。主治医の指示に従い、無理をしないことが大切です。
妊娠判定(胚移植後10〜14日目)
血液検査でhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の値を測定し、妊娠の成立を確認します。
- hCG値の目安:判定日に100 mIU/mL以上であれば妊娠が成立していると判断されることが多い
- 数日後に再度hCGを測定し、数値が順調に上昇しているか確認する場合もある
- 市販の妊娠検査薬で先にセルフチェックする方もいるが、正式な判定は血液検査で行う
この時点ではまだ超音波検査で胎嚢(たいのう)は確認できないことが一般的です。
胎嚢確認(妊娠5週前後)
hCG値が順調に上昇していれば、妊娠5週頃に超音波検査で胎嚢(赤ちゃんが育つ袋)を確認します。
- 子宮内に胎嚢が確認できれば、子宮外妊娠の可能性はほぼ除外される
- 胎嚢の大きさは妊娠週数の目安になる
- この段階ではまだ心拍は確認できないことが多い
心拍確認(妊娠6〜7週)
妊娠6〜7週頃に、超音波検査で胎児の心拍を確認します。心拍が確認できると、流産のリスクは大幅に低下するとされています。
- 心拍確認後は流産のリスクが大きく下がるとされています(年齢によって異なりますが、35歳未満で約5%程度、40歳以上ではこれより高くなるとされています)。ただし経過には個人差があるため、引き続き主治医の指示に沿って過ごすことが大切です
- 心拍が確認できない場合は、1週間後に再検査することもある
- この段階で胎児の大きさ(CRL:頭殿長)から正確な妊娠週数と出産予定日が算出される
心拍確認は、不妊治療における大きな節目のひとつです。
不妊治療クリニックの卒業(妊娠8〜10週)
多くの不妊治療クリニックでは、妊娠8〜10週頃に「卒業」となります。卒業のタイミングはクリニックによって異なりますが、おおむね以下の条件が揃った時点です。
- 心拍が安定して確認できている
- 胎児の発育が週数相当である
- 黄体ホルモン補充などの投薬が終了できる状態
卒業時に確認すること
- 紹介状(診療情報提供書)を受け取る
- これまでの治療経過の記録を確認する
- 服用中の薬の継続・終了の指示を確認する
- 転院先の産科に引き継ぐべき情報を整理する
産科(分娩施設)への転院
不妊治療クリニックの卒業後は、分娩を取り扱う産科・産婦人科に転院します。転院先の選び方と手続きについて確認しましょう。
転院先を選ぶポイント
- 自宅からのアクセス(緊急時に通える距離か)
- 分娩取り扱いの有無(すべての産婦人科で分娩を扱っているわけではない)
- NICU(新生児集中治療室)の有無(ハイリスク妊娠の場合)
- 分娩方法の対応(自然分娩、無痛分娩、帝王切開など)
- 里帰り出産を検討している場合は早めに確認
予約のタイミング
人気のある産科は分娩予約が早期に埋まることがあります。妊娠8週前後で転院先の目星をつけ、分娩予約を入れておくことをお勧めします。特に都市部では妊娠が分かった段階で予約を入れる方もいます。
妊娠初期にやることリスト
- 母子健康手帳を受け取る(住所地の市区町村窓口で交付)
- 妊婦健診の助成制度を確認する(自治体によって内容が異なる)
- 転院先の産科を決め、分娩予約を入れる
- 職場への報告タイミングを検討する(安定期に入ってからが一般的)
- 食事や生活習慣の見直し(葉酸サプリの継続、アルコール・喫煙の禁止)
- 加入中の医療保険の内容を確認する
パートナーのやることリスト
- 転院先の産科見学への同行
- つわり等の体調変化への対応準備
- 職場報告タイミングの相談
- 家計見直し
不妊治療後の妊娠で気をつけること
不妊治療を経ての妊娠は、自然妊娠と基本的に変わりませんが、以下の点に留意が必要な場合があります。
- 黄体ホルモン補充の投薬が継続中の場合は、自己判断で中止しない
- 多胎妊娠の場合はハイリスク管理が必要
- ご希望や状況に応じて出生前検査についての情報提供を受ける機会があります。検査を受けるかどうかは任意ですので、種類や意味について医師と相談してみてください
- 精神的な不安が強い場合は、カウンセリングを活用する
まとめ
妊娠判定後は、心拍確認、クリニック卒業、産科への転院と、新たなステップが続きます。不安な気持ちもあるかもしれませんが、一つひとつ確実にクリアしていきましょう。
不妊治療の全体的な流れについては、妊活の流れページも合わせてご確認ください。
